今回のクリエイター紹介は、静岡県伊東市で活躍する、インディペンデントアーティスト『藤森愛』さん。
音楽家でありながら伊東の絵を描き、時には自身の内面をアウトプットするコラムを書いている方。
名古屋出身の藤森愛さんが、なぜ静岡県の伊東の町に惚れたのか。
彼女の思想に触れながら、伊東の町の魅力をお伝えいたします。
京都を拠点に、東京展開へと活動を広げるRSD Proは、実際に出会った若手クリエイターの魅力について、リアルな声をお届けしています。

執筆者
若い頃のミズハラ
目次
現在の活動について
ミズハラ:
まずは、現在の活動についてお伺いします。
現在は、どのような活動が中心になっていますか?
藤森さん:
伊豆の風景画を描くのが、活動の中心になっていますね。

写真 : 風景画について語ってくれる藤森愛さん。

写真 : 藤森愛さんが描いた作品(伊東の町)
ミズハラ:
絵を見ると、とても細かい部分まで描写されていますね。
1つの作品が完成するのに、相当な時間がかかるんじゃないですか?
藤森さん:
はい。と言いたいのですが、1週間ほどで完成する作品がほとんどです。
もちろん、描く時間に集中した場合です。
ミズハラ:
1週間とはいえ、時間はかかってますよね。青色をベースにした、素晴らしい作品で僕も好きです。
音楽を軸にしながら、絵・文章・映像もされていますが、ご自身の中ではそれぞれどういう位置づけですか?
藤森さん:
位置付けは特にありません。
表現したいものがあったときに、一番カッコよくなる方法を、伝えたいことが一番伝わる方法を選んでいます。
ミズハラ:
なるほど、とても器用ですね。
もし、「藤森さんは何者?」と聞かれたら、何と答えますか?
藤森さん:
肩書きがありすぎて説明できないので、「なんか色々やっている人」と答えています(笑)。
何者か説明できない自分でいたいなとも思っています。
ミズハラ:
藤森さんのサイトの『BIOGRAPHY』を見ると、『インディペンデントアーティスト』と書かれていますね。
藤森さん:
当時、海外ではアーティストがセルフプロデュースすることが当たり前になりつつあって、何にも属さずに自分で自分をプロデュースして活動する”インディペンデントアーティスト”という意味が自分にぴったりじゃんと思って使うようになりました。
ミズハラ:
なるほど!藤森さんらしい肩書きで違和感ないですね。
無所属・単独プロモーションについて
ミズハラ:
「何にも属さずに」とのことですが、企業や組織に属さずに活動することを選んだのはなぜ?
藤森さん:
選んだわけではなく、適性がなかったからです。
同じ場所にいること、同じ人といること、同じことを繰り返すのがとても苦手なので、いつの間にか一人でやっていました。

写真 : 「何にも属さない価値」について教えてくれました。
ミズハラ:
ネガティブ要素をうまく回避してますね。
無所属で活動する中で、一番大変だったことはありますか?
藤森さん:
無所属は立場が弱いので、相手と同じ土俵に立てないことが大変でした。
周りはマネ ージャーがついていたりして、当時は20代で若かったこともあり「経験が足りない、力が足りない」と感じたことも多かったです。
ミズハラ:
そうですよね。僕も個人なので、似たような経験をしたことがあります。
逆に、「これは無所属だからこそ得られた」と感じたものはありますか?
藤森さん:
無所属は同じ土俵に立てないという前提があったので、その分、“やりすぎなくらいちゃんとすること”を覚えました。
資料をしっかり作る、ホウレンソウを怠らないなどの基礎的なことから、グッズ展開やプロモーションをしっかりやるなど、従来なら事務所がやっていることまで。
それらをやりすぎて、むしろ『無所属』だと思われないことも増えたので、自分から「無所属」だと言うようになりました。
ミズハラ:
自信を持って「無所属」と言えるのはカッコイイですね。
自分でプロモーションまでやる、という点についてはどんな考えを持っていますか?
藤森さん:
自分の作品がどうやって届いていくのかを知れるので、“一度は自分でやってみることは大切だ”と思っています。
いきなり誰かに任せてしまうと、意図しない形で届いてしまう恐れがあるので、まずは自分でやるようにしています。
表現が横断していく理由
ミズハラ:
音楽、絵、文章、映像は、藤森さんの中でどう繋がっていますか?
藤森さん:
繋がっていると言うより、全部一緒かな。
同じように重なり合っているという感覚に近いのかもしれません。全てが自分の一部分のような感じです。
ミズハラ:
『藤森愛さん』の中に、全てがあるというイメージですね。
これまでに、表現を一つに絞ろうと思ったことはなかったんですか?
藤森さん:
絵と音楽の両方はできないと思っていたので、大学の進路を決めるまでは一つに絞ろうと思っていました。
当時は、結果的に全部やめて、教師の道に進みましたね。
ミズハラ:
えっ、教師もされていたんですか?
藤森さん:
いえ、教師を「目指した」という意味で、ネットを見るといつの間にか「教師経験あり」になっていましたね(笑)。
ミズハラ:
あっ、そうなんですね。失礼しました。
複数の表現を行き来することで、音楽に活かされていると感じる瞬間はありますか?
藤森さん:
ありますね。
絵を描くために景色を見ていると曲にしたくなったり、文章を書いていると歌詞にしたくなったりします。
ミズハラ:
表現の幅が広いですね。「表現する」という行為そのものについて、昔と今で変わった部分はありますか?
藤森さん:
昔は自分の内側を表現するために作っていましたが、今は海や街などの外的要因から作るようになったのが変わった部分ですね。
ミズハラ:
確かに『ベイビー×2!!』の時の歌声と、現在の歌声に変化ありますよね。
藤森さん:
確かに変わったかもしれませんね。
一回、喉を潰してしまって「これじゃダメだ」と思って歌い方を変えたこともあるかもしれません。
▲『ベイビー×2!!』
▲『135号線』
ミズハラ:
苦労されたんですね。
だけど、ビブラートは以前の名残がある気がするんですが、そこは意識していますか?
藤森さん:
ビブラートについては全く意識していなくて、自分に元から備わっているものらしく、歌い方を変えてもそこだけは変わらなかったですね。
伊東(静岡県) という場所について

写真 : 曇りでも魅力を感じた伊東の風景
ミズハラ:
今日は曇りなんですけど、それでも実際に来てみると、伊東は魅力的な町だとわかりますね。
どうして、伊東を拠点に活動しようと思ったんですか?
藤森さん:
海の近くや、自然豊かな場所で暮らしたかったからです。

写真 : 「この町に来て良かったです」と語る藤森愛さん
ミズハラ:
晴れの日だと、より豊かさが溢れ出そうな町ですね。
この魅力を知ってて「伊東で絵を描きたい」と思ったんですか?
藤森さん:
いや、とにかく「海の近くに暮らしたい」という想いが強かったんです。
それで伊東に来たときに、突然「風景画を描きたい」と思ったのがきっかけでした。
そうやって絵を描き続けていると、ご近所さんに喜んでもらえて、そこからだんだん広がっていきました。
ミズハラ:
それは多分、藤森さんのお人柄もあったと思います。今もすごく話しやすいですし。
アーティストの方って、だいたい東京を目指しますが、なぜ、静岡を選んだんですか?
藤森さん:
都会は良くも悪くも刺激が多いので、創作するには雑音が多いなぁと感じました。
静岡だと都会で得たものを持ち帰って洗練させたり、インプットしすぎた状態をリセットできるので、自分の体質や創作スタイルには合っています。
ミズハラ:
確かに。最近、僕は東京へ行くことが増えましたが、雑音が多い印象がありますね。
そんな『伊東』を題材にした作品を作るとき、どんな視点や感情が深層にありますか?
藤森さん:
普段はあまり目立たない、日常の暮らしが私は気になるようです。
みんなに注目されている場所は、自分がわざわざ作品にしなくても見てもらえているので、スポットライトが当たっていない場所の美しさをどう伝えるかを考えたくなります。
ミズハラ:
その視点は、音楽に関わってきた人特有の視点かもしれませんね。
そう言った意味でも、藤森さんの肩書きのように『インディペンデント』じゃないと表現できないのかもしれませんね。
これからのことについて
ミズハラ:
表現を続ける上で、「これだけは必ず意識しよう」と思っていることはありますか?
藤森さん:
表現を続けていくには生活していかなければならないので、なるべく固定経費を減らし、安心して創作できる環境づくりを意識しています。
表現自体は、もはやオートマになっているので、特に意識していることはないですね。
ミズハラ:
経済的な部分もしっかりと考えていて素晴らしいです。
迷ったとき、立ち戻る“基準”のようなものがあれば教えてください。
藤森さん:
何もしないことですね(笑)。
余白があれば、そこへまた新しい何かが入ってくることが分か っているので、迷ったときは暇でいるようにします。

写真 : 「適度な“暇”は大切だと思っています」と藤森さん
ミズハラ:
暇でいることは大事ですよね。
これからも、無所属・単独という形で活動していくと思いますか?
藤森さん:
特に『無所属』にこだわっているわけではないので、出会いやご縁があればご一緒することはあるかもしれませんね。
ミズハラ:
今の藤森さんが、過去の『藤森愛』に一言声をかけるとしたら、何と言いますか?
藤森さん:
「“何かに夢中になれる自分を大切”にしてほしい。それはお金では買えない、手に入れようと思っても手に入れられないものだから」と伝えたいです。
ミズハラ:
素晴らしい言葉ですね。
実際、目の前で会話をしている僕にとってもすごく力強い言葉で、鳥肌が立ちました。
本日は、本当にありがとうございました!
最後に : 藤森愛さんの印象

今回のインタビューを通して、伊東という町を舞台に活動する藤森愛さんの軸の強さを感じました。
幼少期の頃から、絵を描くことが好きだと言っていた藤森さん。
クラスのみんなに、自分の描いたオリジナルの漫画を読んでもらっていたらしく、この時すでにブランディングの素質があったのかもしれませんね。
それは単なる『こだわり』ではなく、『自分が自分でいられるためにやりたいことをやる』。
それが、藤森愛さんの『軸』になっているのではないかと感じました。
歌を唄い、好きな場所で好きな絵を描く。
時には、自分の思いをアウトプットするためにコラムを書く。
そんな藤森愛さんが惚れた町『伊東』の魅力を。もっと知りたくなったので、次回は「伊東の魅力」についての記事を書くことにしました。
まだ少し先にはなりますが、それまで楽しみにしててください。
ー藤森愛さん情報ー
Instagram ▶︎ @fujimoriai
note ▶︎ 藤森愛さんのブログ
ー写真撮影者ー
Link ▶︎ 写真家リョウ
P.S.お土産をいただきました
今回、藤森愛さんの取材が終わり、イメージ写真を撮る前に、藤森さんから「伊東までお越しいただいた記念と感謝の気持ちを込めて」として、藤森さんのご好意でお土産をいただきました。
どれも素晴らしいものなので、サクッと載せておきます。
- ところてん(国内シェアトップの名産地)
- ニュースコ(ニューサマーオレンジとタバスコ)
- 藤森愛さんが描いた伊東の町ポストカード

どれも素晴らしく、伊東の名産品をお土産にいただきました。
中でも嬉しかったのが、藤森愛さんが描いた伊東の町ポストカードです。
しかも、セットで。これは、かなり嬉しいです。

もっと詳しく紹介したいのですが、次回の『伊東の魅力』の記事の中で触れようと思います。
それまで、お楽しみに。
【取材で利用した施設】
今回、取材で利用した施設は、静岡県伊東にある旅館『東海館』の喫茶室です。

事前に連絡をして、今回の取材に利用する許可をいただきました。
東海館のオーナー様、ご協力をいただきありがとうございます。
〒414-0022 静岡県伊東市東松原町12-10

















