新年度にホームページを作る前に、多くの人が見落としていること

新年度に近づくと、新しいことを始める人も増えてきます。

新しく事業を立ち上げたり、
活動を広げたり。

その流れで、「そろそろホームページを作ろう」と考える人も少なくありません。

当然、ホームページを持つということは、とても自然な選択で価値があります。

だけど多くの場合、制作の前段階でひとつの大切な視点が見落とされたまま進んでしまいます。

それは、デザインや機能の話ではなく、その手前にある『作る前の考え方』です。

見落とされているのは『作る前の設計』

実は、ホームページがうまく機能しない理由は、デザインの良し悪しではありません。

情報量でも文章力でもなく、多くの場合はもっと手前の段階に原因があります。それが、『設計』です。

ここでいう『設計』とは、レイアウトやワイヤーフレームのことではなく、ホームページがどんな役割を持ち、どんな流れで人の判断を導くのかを決めることです。

本来のホームページは、ただ情報を並べる場所というものではありません。

訪れた人が迷わず理解し、次の行動につなげやすくすための“構造”です。

しかし、制作の話になると、多くの場合この順番が逆転してしまいます。

まず見た目を考え、次に内容を埋め、最後に「どう使うか」を考える。その結果、完成しているのに目的が曖昧なサイトが生まれてしまうのです。


ーこの項目のポイントー

『設計』とは、ホームページがどんな役割を持ち、どんな流れで人の判断を導くのかを決めること。

デザインを変えても成果が変わらない理由

よく「デザインを新しくしたのに反応が変わらないのはなぜ?」と相談を受けることがあります。

これは珍しいことでも、恥ずかしいことでもなく、むしろ、多くのリニューアルされたサイトが同じ壁にぶつかります。

もちろん、RSD Proも経験してきました。

「見た目は洗練されている、
写真もきれいで、文章も整っている、
それでも問い合わせが増えない」

その理由は、とてもシンプルなものです。

サイトの役割が定まっていないまま、表現だけが更新されているからです。

設計が曖昧な状態では、どれだけデザインを変えても、伝わり方の構造そのものは変わりません。

例えるなら、地図を持たないまま道を舗装し直しているようなもので、歩きやすくはなっても、目的地にはたどり着きません。


ーこの項目のポイントー

デザインを変えても成果が上がらない理由は、サイトの役割が定まっていないまま、表現だけが更新されているから。

ホームページを作る前に決めておきたい3つのこと

では、「制作に入る前に何を考えておけばいいのか」ですが、難しい専門知識は必要ありません。

まずは、次の3つの視点だけで十分です。

1.誰のためのサイトなのか
2.訪れた人にどんな行動をしてほしいか
3.SNSとの役割の違いは何か

誰のためのサイトなのか

「すべての人に向けたサイト」は、結果的に誰にも届きません。

どんな人が訪れ、どんな状況でこのサイトを見るのか。

ここが明確になるだけで、必要な情報の優先順位が変わります。

訪れた人にどんな行動をしてほしいのか

サイトに訪れた人にしてほしい行動は、お問い合わせなのか、サービス(商品)への理解なのか、信頼形成(ファン化)なのか。

ゴールが決まっていないサイトは、内容がどれだけ良くても、読み終えたあとに何も残りません。

ホームページは閲覧されるためではなく、『次の行動』を生むために存在します。

サイトで答えを出すだけではなく、時には余韻を残して行動しやすくしてあげることも大切です。

SNSとの役割の違いは何か

SNSは、流れの中で出会う場所。ホームページは、立ち止まって理解する場所。

この役割を理解するだけで、サイトの価値はどんどん上がります。

SNSとサイトで同じ内容を置いてしまうと、サイトの存在理由が薄れてしまいます。

SNSでの出会いは、街を歩いていて偶然ショーウィンドウを目にする感覚に近いかもしれません。

一瞬興味を持ち、印象が残ることはあっても、その場で深く知るとは限りません。

一方、ホームページはその店の扉を開けて中に入るようなものです。

空間の雰囲気や考え方、何を大切にしているのかを、ゆっくり理解していく場所になります。

同じ内容を置いてしまうと、サイトの存在理由が薄れてしまいます。

役割を分けることで、発信全体の意味がはじめて整います。


ーこの項目のポイントー

「誰のためのサイトなのか」「訪れた人にどんな行動をとってほしいか」「SNSとの役割の違いは何か」。この3つの視点で考える。

最後に、ホームページは『作ることが目的』ではない

新年度という節目は、新しい挑戦を始めるキッカケになり、多くの人が「まず形を作ろう」と考えます。

それ自体は自然な流れで、事業を成功に導くのは『スピード→量→質』の流れなので、決して間違いではありません。

ですが『作ることを目的』にしてしまうと、後々、大きな改善が必要になります。

ホームページは、活動の考え方や方向性が形として現れたものです。

『設計』が定まっていれば、デザインはあとから自然に整ってきます。

逆に言えば、設計が曖昧なままではどれだけ作り込んでも、違和感ばかりが残り続けます。

デザインが不自然、
内容に軸がない、
必要のない文章が増える。

新しく始めるタイミングだからこそ、一度立ち止まって考える時間をつくります。

その時間が、これから積み重なる発信の軸をしっかりと固めてくれます。

多くの場合、問題はデザインそのものではなく、その『前提』にあります。

ではなぜ、ブランドは「デザインから始めるほど方向性を見失いやすくなる」のか。

次の記事では、その理由についてもう少し深く掘り下げてみたいと思います。

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